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こんにちは近藤(陽)です。前回粘土瓦のシェアが落ちて、金属屋根のシェアが伸びているという内容のコラムを書きましたが屋根材としての粘土瓦の安定性は実証済で、棟部のメンテナンスを怠らなければ50年程度の寿命を保つと言われます。そこで皇居御造営の御用瓦を献上するなど日本の格式ある建築を支えている「菊間瓦」について調べました。
今治市菊間町は瀬戸内海に面し、温暖な気候で雨が少なく、瓦を自然乾燥するのに適した気候です。また町内から五味土という瓦の原料となる土が出土し、窯焚き燃料となる松葉にも恵まれていました。さらに先程申したように海に面しているため、混合する原材料や商品を運搬する海上交通も発達していたということなど、瓦を生産し販売する条件がそろっていたため、瓦の産地として発展していきました。菊間瓦は、いぶし銀の輝きを長く保ち、和風建築を優美な姿に仕上げます。また見た目の美しさだけではなく、防水性・耐寒性・耐久性等に富み、機能面でもすぐれており、県内の格式ある文化財・日本建築を代表する神社仏閣・住宅などに広く使用されています。
遍照院に奉納されている大鬼瓦
細工物の瓦の代表ともいえるのが鬼瓦です。鬼瓦は、和風建築の棟の末端につける雨仕舞の役割を兼ねた装飾瓦ですが、この装飾に鬼の面を施し、家の厄除け・魔除けともしていました。菊間町にある寺院・遍照院では節分大祭に鬼瓦神輿を担いで厄除けを行うなで、菊間瓦の特徴となっています。