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ウレタン防水の完全ガイド!防水工程や劣化サイン、雨漏りをさせないためのポイント
ウレタン防水は防水性能や場所を選ばない対応力の高さから、日本で最も採用されている防水工法となっています。
ですが、実際に工事を行ってみるまでは「ウレタン防水ってどんな工事なの?」「どれくらいの費用が掛かる?」「雨漏りしてしまった我が家のベランダでも施工は可能?」などなど、ウレタン防水について調べることはたくさん出てきますよね。
そこで!ベランダやバルコニーの床面はもちろん、近年増加している陸屋根(屋上のあるお住まい)への防水工事をお考えの方などに向け、このページではウレタン防水のメンテナンスで知っておきたい情報を全て凝縮し、分かりやすくお届けいたします!
長い文章のページとなっていますので、内容を動画でもまとめています。動画で見たいという方はこちらをご覧ください!
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ウレタン防水は、液状のウレタン樹脂を何層にも塗り重ねることで防水層を形成する防水工事の一種です。
複雑な形状の場所にも適応できるため、屋上やベランダ、バルコニーなど、さまざまな場所で使用されます。
そもそもウレタンとは「柔らかい・弾力がある・摩耗性に優れている」素材として、スポンジや車のタイヤ、接着剤などに活用されている身近な存在です。
ウレタンが防水層として利用され始めたのは50年以上も前になり、長い歴史の中で改良を重ね続けた結果、高い防水機能を誇る工法となっているのです。
ウレタン防水の特徴
ウレタン防水の大きな特徴は、液状のウレタン樹脂塗料で防水層を形成するため、シームレスな仕上がりを実現できることにあります。
継ぎ目が発生しないことにより、雨水が浸入するリスクを大幅に低減することができます。
また、防水塗料による施工であるため、防水層を形成する場所を選びません。
ベランダやバルコニーだけではなく、段差などの複雑な形状が多い屋上の防水工事にも適しています。
ウレタン防水にはいくつかの工法がありますが、街の外壁塗装やさんでは主に「密着工法」と「通気緩衝工法」という2つの種類を採用することが多いです。
密着工法(メッシュ工法)
密着工法は、ウレタン樹脂塗料を下地に直接塗って防水層を形成する工法です。
下地に塗布したウレタン防水へメッシュタイプの補強布を張り付け、さらに上へ2層目となるウレタン防水材を重ね塗りしていきます。
十分な耐久性を発揮できる厚さまで2層目のウレタン樹脂塗料を塗ったら、最後にトップコートと呼ばれる仕上げ材を上塗りして、密着工法によるウレタン防水工事は完了となります。
密着工法はこの後ご紹介する「通気緩衝工法」よりも下地処理が少ないため工期が短く、施工のコストを抑えられる点がメリットとして挙げられます。
しかし、下地が水分を含んだ状態で密着工法を行ってしまった場合、温度変化によって発生した水蒸気や湿気などの水分が逃げ場を失うこととなり、蓋となっているウレタン防水層の膨れやひび割れを引き起こしてしまいます。
ですので、既に雨漏りを起こしているベランダ床など、水分を含んでしまっていることが予測される下地に対して密着工法は不向きです。
また、施工時にはウレタン防水材をしっかりと密着させるために高圧洗浄によって下地の汚れを落としますので、その乾燥が不十分な場合にも膨れやひび割れが早期に発生しやすくなります。
通気緩衝工法(絶縁工法)
通気緩衝工法は、下地の上に通気緩衝シートを敷き、その上にウレタン樹脂を塗布して防水層を形成する工法です。
「絶縁工法」と呼ばれることもあります。
下地の影響を受けにくい工法であるため、水分が残っている下地にも施工することが可能です。
特徴的なのは下地に通気緩衝シートと呼ばれる無数の穴が空いたシートを貼り、ウレタン防水との密着を防ぐこと。そして通気緩衝シート部分に溜まる水蒸気を脱気盤・脱気筒から排出することで防水層の膨れを予防できることです。
経年劣化によって傷んだり雨漏りを起こしている下地は防水層を形成した後も水蒸気や湿気が発生し続けますので、その水分を脱気装置から逃がすことができる通気緩衝工法を行わないと、雨漏りのリスクは依然として残ったままとなってしまいます。
材料費や施工費は密着工法よりも高くなりますが、雨漏りを起こしてしまったベランダ・バルコニーへの防水工事としては最大限の効果を発揮してくれる工法です。
他には下地が劣化している古い建物、水分が乾燥しにくいビルやマンションの広い屋上、そして近年増加している陸屋根の防水に適しています。
ウレタン防水の費用相場
密着工法でのウレタン防水は、約3,000〜5,000円/㎡が相場となります。
通気緩衝工法の場合は約5,000〜8,000円/㎡となります。
ウレタン防水の費用相場 | ||
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密着工法 | 約3,000〜5,000円/㎡ | |
通気緩衝工法 | 約5,000〜8,000円/㎡ |
多くのサイトでも上記のような相場を掲載していますが、これはあくまでもウレタン防水材を使用する段階で発生する費用に絞ったものです。
実際には防水層形成前の洗浄や下地補修であったり、ドレン設置・トップコート塗布など様々な工程で別途金額が発生します。
そのため、ウレタン防水工事全体としては2~3㎡のバルコニーであったとしても、10万円程度は掛かってくると想定しておく必要があります。
そして実際の㎡単価は、施工する箇所が狭い面積のベランダなのか、はたまた広い屋上で行うのかによって変動することが基本です。
加えて、下地へ補修が必要になるレベルによっても掛かる金額が変わってきます。
また、どちらの工法でのウレタン防水工事が向いているかは、現場を調査してからの判断となります。
そのため、具体的な施工金額が知りたい場合、まずは無料の点検調査と見積もり作成をご活用いただければと思います。
ウレタン防水工事の流れ
下地を高圧洗浄でしっかりと洗浄し、ホコリや汚れを取り除くことでウレタン樹脂がしっかりと密着するようになります。
既存の防水層や下地にひび割れやクラックが見られる場合は、コーキング材やモルタルを用いて補修を行います。
下地にプライマーと呼ばれる下地調整材を塗布します。
プライマーはウレタン樹脂が下地にしっかりと密着するための接着剤の役割を果たします。
防水材の密着力は防水性や耐久性に大きく影響しますので、メインとなるウレタン防水材を流すよりも前段階のプライマー塗布は非常に重要な工程です。
通気緩衝工法の場合:プライマーを塗布した後、床面から発生する湿気を逃がすための通気緩衝シートの張り付けと脱気筒・脱気盤の設置を行います。
プライマーが乾燥した後、ウレタン樹脂を数回に分けて塗布します。
通常、2層から3層にわたって塗り重ね、所定の厚みを確保します。
この際、平面部分と立ち上がり部分では材料の硬さを使い分けるため、防水材は立ち上がり用と平場用に分かれます。
複数回の塗布によって防水層を形成することで、防水性能が格段に高まるのです。
密着工法の場合:補強目的としてメッシュシートを使用する場合は、1層目のウレタン防水の上に張り付け、2層目以降のウレタン防水材を重ねて塗っていきます。
ウレタン樹脂の塗布が完了したら、トップコートを塗布します。
既に防水効果は発揮できるのですが、むき出しになったままの防水層は紫外線や風雨によって劣化してしまいますので、保護のために表面をトップコートで覆います。
基本的にはグレーのトップコートを使用することが多いですが、グリーンなど他の色で塗ることも可能です。
通常はツルツルとした仕上がりになりますが、ベランダなどの日常生活での出入りや歩行が多い場所ではトップコートに骨材を混ぜることで滑り止め効果を持たせることもできますので、ご安心ください。
ウレタン防水工事は一連の工程を丁寧に行うことで、高い防水性能と耐久性を発揮します。
DIYでのウレタン防水がオススメできない理由
ウレタン防水工事に必要な防水材や道具はホームセンターを始め、ネットでも簡単に入手が可能ですので、DIYを計画されている方もいらっしゃるかと思います。
ただ、DIYでのウレタン防水工事は大変難しい施工となり、オススメはできません。
ウレタン防水材で均一な塗膜を形成するには、熟練した技術が必要になります。
もし仕上がりにムラなどができてしまうと、雨水が排水口に上手く流れずに床面へ溜まってしまうような初期不良や、それによる防水層の早期劣化を招く恐れがあるのです。
施工範囲が広くないベランダの床面であっても、防水工事はプロの業者に依頼することが第一だとお考え下さい。
ウレタン防水の耐用年数はおよそ10〜14年程度です。
ただし防水層が置かれている環境によって左右しますので、劣化が見られるようであれば必要に応じた補修を行うようにしていきましょう。
では、ウレタン防水の補修を行うサインとして、劣化症状を4つご紹介いたします。
1.表面のひび割れ
防水工事から5年程が経過すると、表面にひび割れが現れるようになります。
このひび割れは防水層を保護するトップコートに発生しています。
ウレタン防水層自体のひび割れではありませんので、防水性能については問題ありません。
ただ、トップコートが劣化して保護の役割を果たせなくなると、防水層が太陽光や雨水に晒されて劣化してしまいます。
そのため、早期の段階でトップコートの再塗装が推奨されます。
2.塗膜の浮き・膨れ
防水層が膨らんできた、浮いているといった状況があれば、下地が水分を含んでいる可能性が高いです。
最悪の場合、雨漏りを引き起こしているかもしれません。
防水層には問題がないか、ベランダの場合はサッシ脇や外壁との取り合い部分に異常がないかを確認し、もし雨漏りが原因での膨れや浮きであるならば早急に対処が必要となります。
浮いてしまった防水層は歩行や経年によって破れてしまう恐れもありますので、浮いた部分を剥がし補修、もしくは全体改修を行わなくてはなりません。
3.防水層の亀裂
トップコートのみならず、防水層にまで亀裂が生じてしまうようなケースは、経年劣化や地震の後に見られることがあります。
現状で雨漏りが起きていない場合でも、放置すれば下地にまで腐食を起こす可能性があるため、早々にウレタン防水の再施工をする必要があります。
前回のウレタン防水工事から10年以上経過している場合には、特に防水層の亀裂やひび割れに要注意です。
まだご紹介しきれていないウレタン防水のメリットや、知っておきたいデメリットを簡単に解説いたします。
ウレタン防水は塗料を3㎜ほどになるまで塗り重ねる工法です。
他の種類の防水と比較するとウレタン防水は非常に軽く仕上がり、重量によるお住いの負担は非常に少なく済みます。
ウレタン防水は施工後、表面保護のためにトップコートを塗布しています。
このトップコートは5年程度で塗り替える必要がありますが、その分ウレタン防水で形成した防水層は傷みにくくなるため、15年程度は問題なく生活することができます。
ウレタン防水は塗料による施工ですので、表面を高圧洗浄等で綺麗にしさえすれば重ね塗りをすることが可能です。
既存の防水層や下地の処分費用も発生しないためエコなメンテナンスができます。
ウレタン防水は塗料を職人が手作業で塗っていきます。
ケーキに生クリームを塗るのと同様、柔らかいものを均一に仕上げるのには熟練の技術が必要なのです。
先ほども軽く触れましたが、もし平滑に仕上げられなかった場合、雨水が排水口に流れない・水たまりができる、薄く塗った箇所からの雨漏りを起こしてしまうため、特にDIYを計画されている場合には塗料を塗る=簡単ではないということを理解しておきましょう。
ウレタン樹脂は施工後の乾燥が遅いため、工事の行程にも余裕を持たせる必要があります。
もし雨が降ってしまえば数日施工できないといったケースも少なくありません。
以上のように、ウレタン防水には上記のデメリット・注意点がありますが、適切な防水工事を行ってくれる業者に依頼さえすれば大きな問題はありません。
私たち街の外壁塗装やさんでは熟練した技術を持つ防水職人によって作業を行いますので、難易度の高いウレタン防水工事であっても安心してお任せください。
防水工事は建物の雨漏り対策として非常に重要な施工になりますので、何よりも業者選びを重視していただきたいと思います。
失敗しない業者選びのポイントとして、重要なのは以下の3点です。
- ☑ 過去の実績は豊富であるか
- ☑ ご利用いただいたお客様からの評価や口コミの高さ
- ☑ 相見積もりを取って業者を比較する
私たち街の外壁塗装やさんでは安心して工事をお任せいただけるように、過去の施工事例やお客様から頂いたご感想などをサイト内にて公開しております。
もし想定していた予算と合わなかったり、相見積もりの結果キャンセルとなっても追加費用などは発生しませんので、工事を検討される場合にはお気軽に無料点検・お見積もり作成をご利用いただければと思います。
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ウレタン防水は50年以上前から親しまれている、塗膜防水工法です。
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継ぎ目がなく凹凸にも施工できるウレタン防水は場所を選ばず施工することができます。コストパフォーマンスにも優れています。
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均一に仕上げることが難しいウレタン防水だからこそ信頼できる、確実な技術を持った業者に工事を依頼するようにしましょう。
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施工箇所の劣化状態に合わせて密着工法・通気緩衝工法を使い分け、防水層に不具合が生じないように正しく補修しましょう。
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およそ5年ごとのトップコート再塗装はウレタン防水の寿命維持に大きく影響します。浮きや剥がれ、亀裂が入った場合には早々にメンテナンスをし雨漏りを防ぎましょう。
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防水工事に迷ったらこれ!と言われるほど万能なウレタン防水工事は正しく施工・メンテナンスをすることで大切なお住まいを守ることに繋がります。